アンケートの概要
- 期間:9月12日~18日までの1週間
- 対象:子どもの不登校に悩む親が対象の、無料LINE相談窓口の利用者245名
- 回答:上記利用者のうち125名
- 内容:子どもや家族の状況、親の負担の程度など
- 目的:不登校問題と言うと、子どもだけに視点が行きがちであるが、実際には親含め家族全体で様々な課題とぶつかっている。子どもだけでなく、家族に目を向けて支援の手を差し伸べていくことが必要であることをこのアンケートで示したい。
- アンケート作成協力:福岡の不登校生専門塾「あいむ」
結果の要点
▢新年度以降(コロナ禍期間中に)不登校になった児童生徒が全体の33.6%
不登校になってから半年未満が全体の33.6%。アンケート実施期間の半年前は2020年3月にあたることから、新年度以降、コロナの影響で不登校になった生徒も一定数いるのではないかと考えられる。実際にLINE相談窓口では、個別の相談として「小学校入学したばかりの子どもが、コロナの影響で学校で会話も禁止、給食もひとりでつらい、と泣いて帰ってきて、学校に行かなくなった」という声や「元々不登校だった子どもが、コロナのことで外に出るのが怖くなり、買い物にすらついてこなくなった」などといった声もあった。
▢子どものことで不安な点、トップ5
「勉強」70.4%、「進学や就職」68.8%、「体力の低下」69.6%、「友人関係」69.6%、「家族以外とのつながりの乏しさ」61.6%、「コミュニケーション能力」66.4%といった結果が出ている。不登校をきっかけに、勉強や人間関係、体力の低下など、多様な課題にぶつかっていることがわかる。
▢なかなか進まないパートナーとの連携
回答者のうち夫(妻)がいる人のなかで、「夫(妻)と満足に話せていない」と答えた人は54%、「夫(妻)は子育てに満足に関わっていない」と答えた人は60%にのぼった。お子さんの悩みをなかなか夫婦でシェアできないことで、フラストレーションも溜まりやすくなることが推測される。
▢不登校で失われる家族以外の人たちとの関わり
家族や親戚以外と話す機会が少ない子が多く「ほとんどない」が22.4%、「月1~3回程度」が20.8%と4割以上の子が家の人以外との関り合いが薄い状況となっている。また、子どものことで不安に感じるものとして「コミュニケーション能力」を上げる人は66.4%とかなり多く、コミュニケーションについての悩みは大きいことが伺える。
▢約8割の親がストレスから外部に助けを求めている
親自身のストレス具合を聞いたところ、「限界は超えていないが、助けがあると嬉しい」60.8%、「限界は超えていて、助けが欲しい」17.6%、「自分達でコントロールできる範囲内」20%、「ストレスは少ない」1.6%、という結果が出た。約8割(78.4%)もの方が、外部に助けを求めていることが判明した。子どもの不登校は、家族内だけでは解決できないことも多い。第三者の介入により、解決の一手をうつ必要性が感じられる。 ※下記設問は「回答者としては、費用面などに問題がなければ、次のサービスを利用してみたい気持ちはありますか?すべて選んでください」である。
▢子どもの教育が、家庭の収入に左右されてしまう現実
子どもが不登校になることで、親の仕事にも影響が出ている。「早退・遅刻・欠席が多くなった」32.3%、「休職・退職した」12.9%、「雇用形態を変えた」16.9%、「休職・退職を検討している」3.2%、「特に変化はない」43.5%だった。全体の62.1%にあたる親が、何らかの形ですでに仕事に影響が出ている。フリースクールなどサービスを利用したいという声も多いが、利用料がかかるため、仕事に影響が出ている中で決断を渋る原因になりうる。 ※下記設問は「お子さんが不登校になってからの仕事の状況を教えて下さい(複数回答可) ※ご夫婦どちらかがあてはまれば選択してください」である。
今後の支援活動や社会の動きについて、私たちの見解
◯対面相談可能な全国ネットワークの構築が必要
現在、オンライン(LINE)での相談を受け付けているが、54.3%が対面での相談を望んでいたことから、各都道府県に相談窓口が必要であると考える。オンライン相談で入口の敷居を下げ、そこから対面相談や、子どもの居場所やフリースクールへのつなぎをする、という流れができれば、子どもが社会から孤立してしまうリスクから遠ざけることができる。
◯学校の授業のオンライン化により、子ども達の未来の選択肢を保つことができる
70.4%が勉強に不安を持っている。不登校になる理由としていじめなどの人間関係をあげる児童生徒も多いことから、学校に行かないだけで勉強はできる・したいケースもある。学校の授業のオンライン受講が進むことで、この不安は解消される可能性が大いにあること、また学力保持により進学のチャンスも、登校する生徒と同じように得られることが考えられる。
◯不登校支援には、親も含めた包括的なケアが必要
家族内で、両親それぞれと子どもとの会話量に差があることや、回答者の声として夫もしくは妻が子育てに満足に関わっていないと声が多いこと、また外部に助けを求める声も多くあがったことから、支援者は子どもだけでなく家族内に入り、親を対象とした支援策が必要であること、また家族内の関係性を再構築することなどの支援が必要であると考えられる。
代表土橋より
2020年5月25日にオープンした親御さん向けの相談窓口も、オープンから3週間で登録者数100名を超え、現在は250名を超えています。「不登校」と一口に言っても、その要因や子どもの状態、家庭の状況は様々で、「これをすれば解決」なんていう魔法のレシピはありません。親御さん一人ひとりのSOSの声に寄り添い、その中で丁寧にヒアリングする中で、状況を把握。その後可能であれば訪問させていただき、子どもと会い、直接支援をしていきます。私たちは、子ども達の不登校に対して、親御さんと連携して関わっていきたいと考えています。親子だからこそ会話のキャッチボールがうまくいかないことって、多くの方が一度は感じたことがあるのではないでしょうか。その間に第三者が入ることで、うまくやり取りができるようになることも多いのです。今の日本社会にある「学校絶対主義」が、結果的に子どもの居場所をなくし、未来を暗いものにしてしまっているのだとも思います。学校が合わない子もいるのは当たり前のことです。私たちは、フリースクールやホームスクールというサービスを通して、子ども達の学びや遊びの選択肢をつくり、お母さんのほけんしつ(LINE相談窓口)で親御さんと連携しながら、子どもの未来を支えていきます。
あい (木曜日, 01 10月 2020 08:46)
本日の下野新聞で初めて知りました。教育センター等相談しましたが、冷たい態度を取られたりと悲しく落ち込んでました。LINE登録させて頂きました。